face to face @ 新宿LIQUID ROOM

昨年、ライヴ盤をリリースした後しばらく音沙汰のなかったface to face。今年に入ってから、カヴァー集、新作と立て続けにリリースしての3度目の来日である。まず、少し新作の話をしておこう。僕はハッキリ言って、この作品かなり評価している。そりゃ、確かに音は思いっきり変わった。もう別のバンドといったほうがよさそうである。明らかにエモを意識したと思しき重めのギターだが、なんにしても楽曲がイイ。ロックンロール一直線男と思われていたTrever Keith<vo,g>は、得意だったスタイルを捨て去っても、ソングライティングは一級だった。まさにTrever Keith恐るべし、といったカンジである。そこらあたりを踏まえたうえで、ライヴレポートに移ってみよう。


9月15日(祝)。東京公演2DAYSの初日である。前座がつくことは知っていたので開演時間ちょうどぐらいに会場入りしたのだが、閑古鳥が何羽いるのかわからない状態だった。いやはや、なんとも寂しい限り。実際、友達の話によるとSMASHは2日目の公演に関してはタダ券を出したそうだ。まあ、あんだけ音を変えたのだから仕方ないことなのかな。この日は前座は2バンド出たのだが、この2つに関しては割愛させていただく。前座が終わったころには、あれだけポツンポツンってカンジだった客入りもある程度増えて一応カタチにはなってた。というわけで、ちょっとはホッとする。


しばらくすると、ステージ暗転、face to face登場。友達と1曲目何かなー?どうせ新作の1曲目でしょー、とか言っていたが、やはり予想的中。1曲目はOvercomeである。まあー、しょうがない。予想していたことなので、しっかりと楽しむ。で、周りを見渡してよーく観察してみたのだが、この日の客は新作の曲でも暴れる暴れる。多くのFAT系キッズが離れていったなかで、この日来場した人々はどーやら新作を音楽的に評価しているというよりは、最初から暴れるために金を払ってきた人々のようだ。新作の曲は多分知らないから暴れてたんだろう。新作の曲でもそんだけ暴れるんだから旧譜の曲でもっと盛り上がることは言うまでもない。これは素直に楽しかった。でも、ダイヴは皆無だったけど。あれだけの人口密度でダイヴしたら、そりゃ危ないですもんね。
セット的な面から言うと、割合としては新作からの曲が7曲と最も多く(まあ、当然か)次いで2ndと3rdからは4曲ずつ、そして1stから3曲だった。あと、カヴァーも1曲演ったけど、あのカヴァー集は1回も通して聴いたことがないので、タイトルはわかりませんでした。そして、なんと驚いたことにYou've Done NothingとYou Liedを演らなかったのだ。You've Done Nothingは演らなきゃダメだろー、とか思ったんだけどね。逆にスゲー嬉しかったのは僕の大好きなNothing NewとStruggleを演ったこと。だって演ってくれる可能性はそんなに高くなさそうだもんな。Nothing Newはやっぱり超超超名曲だと思う。そして会場の皆にとってもStruggleは一番のハイライトだったようだ。超盛り上がってた。You've Done Nothingを演らないなら、じゃあ何が最後の曲だったかというと、It's Not Over。まあ、それに関しては納得できる。まさにライヴで演るためにあるような曲だもんな。


でも、この日、僕が一番感じたのは客がシンガロングしてなかったことかな。先述のように、かなり皆暴れてたんだけども。NOFXのライヴでは見事なまでに「暴れる」+「歌う」だったのに、この日は全然そういうのがなかった。face to faceの歌詞ってシンプルな言葉で書かれていることが多いのにね。


まあ、いいライヴでしたよ。願わくば、初来や前回の来日を観たかったけど。出会うのが遅すぎたか。