QUEEN + PAUL RODGERS @ 横浜アリーナ

まあ、演るほうも観るほうも齢なのでね。週末の公演は開演時間が17時。ってわけで、時間に余裕を持って出掛けたが、ちょい早すぎたので菊名から徒歩で行った。んで、アリーナ前に着いてみると、いるわいるわ老若男女バラエティに富みまくったQUEENファンが*1。結局思いっきり並ばされて入場するのに15分ぐらい掛かっちまったぜ。なので、中も超混んでんのかなーとか思ってたけど、自分の席のほうに行ってみると全然混んでなかった。A席にしといて良かったかも。角度的にもいいカンジだったからさ。開演前のBGMはBEATLESとかAC/DCとか。で、17時15分ごろBGMが止んだ。It's A Beautiful DayのREMIXヴァージョンが流れる。客電は付いたままだったんでA席では立ち上がる人がまばら。ってゆーか、皆無。オレはもうヤル気まん吉で立ち上がっとったけど。これからPaul Rodgersが登場するってーのに、Freddieの声で始まるのはどうなの、とか思ったりしつつ。それがしばらく続いた後やっと場内暗転。ボルテージが上がる。で、聞こえてきたのが何故かEMINEM8 Mile。なんでだよ。本気で意味わからん。それがしばらく続いた後やっと御大Paul Rodgers登場。いきなり花道に立ってるよ。で、そのすぐ後、まだ上がってないステージの幕の裂け目からRed Specialを携えたBrianが登場。ギュイーーーンって、その音色が聞こえた瞬間にもう泣きそうですた*2。んで、幕が開いてTie Your Mother Downよ。一気に興奮。最初のワンコーラスぐらいはもうRodgersの声がどうだとかRogerの演奏はどうだとかベースの音はどうだとか、そんなことは一切考えもしなかった気がする。ただただ興奮してた気がする。まあ、ミーハーってそーゆーもんだよ(開き直り)。実際、すごい良かったね、Tie Your Mother Down。前にBrianのインタビューで「Tie Your Mother DownなんかはPaulのためにあるようなもん」と発言していたけど、Brianもバカじゃないんだから、ちゃんと(QUEEN + PAUL RODGERSとしては)どんな曲目が相応しいか考えてんだよ。実際すごくパワフルなヴァージョンのTie Your Mother Downだったなあ、と思った。で、ちなみに、1曲目が始まるや周りの人達が3階席の最前の空いた席*3にスライドしていった。おかげで、オレも広々としてすげー満足だったー。思う存分ヘドバン出来るぞーみたいな。そして、お次はFat Bottomed Girl。RodgersがFreddieよろしく腰に手を当ててポーズしながら歌う。まあ、ご愛嬌ってなとこで。次がI Want To Break Freeだったかな。個人的に好きな曲じゃないので、どうでもよかったけど。そして、次にRodgersがFREEの曲を演奏する旨MCを入れてWishing Wellが演奏された。本人の歌が聴けて、つまり本領発揮ってなことで満足。割と好きな曲のほうに入るし。で、Crazy Little Thing Called Loveのときは最初のワンコーラスだけRodgersもギターで弾き語り。まあ、あんまり的確な選曲とは思わなかったけど。あんまりPaul Rodgersの声質には合わないかな。
RodgersとBrianが引っ込んで、Rogerだけが花道を前に進んできた。ここはRogerコーナーということらしい。アコギ隊を2人従えてヴォーカルに専念してのスタイル。Say It's Not Trueという曲を演った。オレは最近まったく予習してないんで、この曲自体知らなかったんだけどさ。時々スクリーンに客席の映像が映るんだけど、映るオバチャン達はみんなちゃんと口ずさんでるのね。いやー、負けるよね。オレ人生で一番QUEENが好きだけど、でも負けるね。オレが生まれる前からQUEEN一筋な人達なんだろうからねえ。負けます。で、今度はBrianが花道に単身で登場。花道の最先端に椅子をセッティングしてアコギを構えて座る。その瞬間にピンときて心のなかで「くるかー、くるかー、くるかー?」って構えてたら、やっぱりキターーーーー!'39ですよ。正直、もう最初の歌い出しの時点でもう泣いてたわ、オレ。ウルウルとかそういうレベルじゃない。泣きじゃくってた気がする。Brianの「イッショニ ウタッテクダサイ」のMCどおりコーラスんとこは会場が合唱。もうオレは泣きじゃくってて歌に参加するなんて出来なかったけど。で、この後の流れがもう超凄いよ。'39からLong Away*4いってLove Of My LifeいってTeo Toriatteだよ!素晴らしすぎる。その間、ずっと泣きっぱなし。Love Of My Lifeも大合唱ソングの大定番だね。Brianの声で味わうLove Of My Lifeも素晴らしかった。Brianの声がオレは大好きだ。今回改めてQUEENの何が凄いって思ったかというと、世界一のシンガーを失っても残された声でこれだけの感動を人々に与えることが出来ているという事実。あまりにも偉大なバンドだ。それを実感することが出来て良かった。んで、Teo Toriatteだよ。本日のハイライトでしょ。日本だからね。まずはBrianのヴォーカルでワンコーラス。んで、日本語詞のサビを当然ながら会場が合唱。オレはもう引きつるくらい泣きながら(鼻水出っ放し)幸せに浸ってた。んで、ブリッジ〜コーラスのとこでバンドも参加。ヴォーカルもPaul Rodgersにバトンタッチ。素晴らしい演出だ。納得しまくっちゃったね、オレは。確か御大Rodgersも日本語がお上手なことで有名なんじゃなかったけか?
ガラリと雰囲気変わって、お次はHammer To Fall。ド定番のあのリフの後、いきなり歌い出しがサビから始まるという反則的アレンジで否が応にも盛り上がる。別にこの曲好きじゃないのに盛り上がる。んで、その後、Rogerのドラムソロコーナー。「当然この後I'm In Love With My Carくるんだろー」と思ってたから、まだかまだかと待ってたんだけど。結構長かったね、ドラムソロ。最後にBrian達が加わるカタチで締めて、そのままI'm In Love With My Carへ。まあ、特にお気に入りの曲ってわけじゃないけど、やっぱ本人の曲だし、貴重だよ。初期のRogerの曲はロックしてるなあ、ハードに。その後、今度はBrianのギターソロコーナー。Red Specialの音色に会場中が酔いしれる。良かった。
その後、なぜかThese Are Days Of Our LivesをRogerのヴォーカルで。なんで?しかも、花道に出てきてハンドマイクで歌うの。いやー、Ringo Starrじゃないんだから、そんなにハンドマイク多用しないでよ、とか思った。っていうか、この曲はRogerの声質に全然合ってない。そいで、その後がRadio Ga Ga。好きじゃないんだよね、この曲*5。そしたらさ、サビんとこで会場中が立ち上がって、あのフリをやんのよ。絶対あのミュージカルの影響だよね、これって。個人的にはこの日一番引いた瞬間。オレは断固として、あのフリには参加しなかったぜ。セカンドコーラスあたりから、長らくステージ不在だったRodgersが帰ってきて参加。やっぱり、みんなあのフリは続けてる。こっちが恥ずかしくなるっつーの。先述のとおり、Roger作の佳曲は初期に集中だっつーの*6。Brian、Rogerがそれぞれ持ちネタを出したところで、今度は御大の持ちネタ。Can't Get Enough。まあ、欧米では盛り上がるんだろうけど、ココ日本だからねえ。オレ自身もBAD COMPANYは多分5枚以上持ってるけど、全然聴き込んでない。だから全然ノレなかったなあ。御大にはスイマセンってカンジ。で、そろそろコンサートも大詰めかってカンジの空気になってきた。ここでI Want It Allが炸裂。これは素晴らしかった。間違いなくハイライトになってたね。演出がどうとか楽曲への思い入れがどうとか*7を抜きにして客観的に見て素晴らしい演奏だったよ。Rodgersがドメタルを歌い上げる衝撃。BrianのRed Specialが唸りを上げて、オレはもう完全ヘドバンなカンジ。最後のBrianのヴォーカルパートまで含めて完璧。超カッコ良かった。ステージの後ろにスクリーンのとこまでRodgersが歩み寄って、そこで同曲をバシっと締めると、スクリーンにはFreddieの姿が。Bohemian Rhapsodyのクリップが始まったんだ。まあ、冷静に考えて恥ずかしい話だけど、もうオレはボロボロ泣いてた。なんでそんなカンタンに泣いてしまうのかわからんが泣きっぱなし。で、まずはRogerがクリップ上のFreddieの演奏に加わり、その後Brianが加わり、バンドが加わりってカンジで、今回用のBohemian Rhapsodyを組み立てていく。オペラパートは当然ながら完全にスクリーン上のFreddieが主役。もう10年以上聴き続けてるレコードの演奏と同じ音を聴いてるだけなのに、なんであんなに興奮出来るのか不思議だよ。場の空気なのか。人生で一番好きなバンドの片鱗に触れられた喜びなのか。で、それが終わると、「So you think you can stone me and spit in my eye〜♪」のパートからRodgersのヴォーカルにチェンジ。感動で泣きじゃくってるオレも大納得の演出。そいで最後はスクリーン上のFreddieとステージ上のRodgersと会場中のオーディエンスがヴォーカルを分け合って感動のエンディングよ。もう涙止まらなかったわ。一人で行って良かった。誰かと一緒に行ってたら恥ずかしくて死にたくなるっつーの。
ここで、本編終了。でも、当然これで終わりなわけはなく。アンコールを求める鳴り止まない拍手。そして、BrianとRogerだけが戻ってきて花道の先端に陣取った。で、Brianのアコギ&2人のヴォーカルによるI Was Born To Love You。うーん、それ演るかあ。まあ、客は喜んでるんだろうけど。オレ的には、それ演るんだったら各々自分のToo Much Love Will Kill YouとかHeaven For Everyoneを演ってよ、ってなカンジ。特に前者は超名曲ぞ。で、I Was Born To Love Youの後はRodgersを含めバンドも戻ってきて、The Show Must Go Onへ。これも素晴らしかった。実に素晴らしい演奏だった。THE MIRACLE以降のQUEENのソングライティングに掛ける集中力はハンパないと思うわ。名曲だらけやもん。そのときはもういい曲を書くしか出来なかったんだもんね。で、Paul Rodgersの最後の持ちネタでAll Right Now。これもRed Specialで弾いてた。いやー、この曲はレスポールで弾かなきゃ意味ないだろー。とか思いつつ。まあ、でも、Brianは己の信念を絶対に曲げない人なのです。バンド全体でいえばベースの音がもっとデカく聞こえれば良かったな。ベースはFREEの楽曲の文字通り生命線だからね。
さあ、泣いても笑ってもホントに最後。ラストスパート。We Will Rock Youでありったけロックしまくる。んで、そのままWe Are The Championsへ。もう、ドーーーーーっと泣いてしまいますた。当然会場中大合唱だけどね。オレはもうそんなことも出来ないの。もう最後まで泣きっぱなし(鼻水も)。Rodgersの歌声も素晴らしかったなあ。御大なりの解釈が入ってる歌唱だった。感動したよ。んで、God Save The Queenが鳴り響くなかBrian達はオーディエンスに感謝を告げてステージを降りていった。2時間オーバーの大納得なショウだった。
物販はツアーTeeが欲しかったけど、めちゃくちゃ混んでたので断念。あんだけ並んで目の前でSサイズ売り切れとか言われたら辛いもんなあ。


<最後に>
この企画を最初に聞いたのはいつだったか。忘れてしまった。1年前ぐらいだったか。最初にこみ上げてきた感情が喜びではなかったのはよく憶えている。それは確かだ。しかし、同時にシンガーその人が馬の骨ではないのも事実であった。いや、それどころか、オレはPaul Rodgers大好きだ。だからこそ複雑な気持ちになってしまったかと思う。やっぱり、それは「想像出来ない」ってのが根底にあったのだろう。QUEENの楽曲を歌うRodgersが想像出来ないのだ。輝けるブリティッシュロックの歴史のなかにあってBEATLESのサウンドの特徴はブルーズの影響が見えにくい*8ことだと言われる。そこへいくとQUEENはBEATLES以上にブルーズが見えてこない。そこが大きいのだと思う。そうこうしてるうちに、ホントに来日が決まった。嬉しさはあった。でも、複雑さは引きずっていたと思う。「QUEEN名義にはしないでほしい」とか「QUEENの曲目をなるべく減らしてQUEENそのものではないことを強調してほしい」とか心のなかで願っていた*9
でも、蓋を開けてみたら、そこにはQUEENの楽曲を自分なりの解釈で歌うPaul Rodgersの姿が、自分達の楽曲を歌うBrianのRogerの姿があった。大納得。大感動。こんな素晴らしい瞬間を見逃さずにホントに良かった。Brianはずっとこの感動を世界中のファンに届けたいと思ってくれてたんだろうなあ。それが御大のおかげで実現したんだ。ホントに良かった。素晴らしい夜だった。オレの人生のなかでも重要な、ね。

*1:親子連れ多かったなー。

*2:カンタンな人間だなー、オレは。カンタンすぎるにも程があるぜ。

*3:QUEENのファン層っつったら、そりゃもういい大人なわけで金ケチってA席なんて有り得ないんだろうね。実際当日券もSしか売り出してなかった。

*4:正直、この曲のタイトル思い出せなくて帰ってきてネットでセットリスト見つけてやっと思い出したの

*5:正直な話、THE WORKSとKIND OF MAGICが一番聴かないアルバムだ。

*6:Modern Times Rock'n'RollとかTenement Funsterとか大好きだね、オレは。

*7:実際、たいして好きな曲じゃないし

*8:実際にまったく影響を受けてないなんてことはないんだろうけど

*9:いや、実際、友達にもそう言っていた