読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

TIM CHRISTENSENの来日が実現するまで ~ライヴレポート序章~

遂にTimのソロ公演を観られる日がやってきた。11年もこの日を待ったのだ。Timのソロとしての1stアルバムはわが国では本国デンマークから遅れること半年ほど2001年の春先にリリースされた。DIZZY MIZZ LIZZYの解散に狼狽した人間にとって、そのアルバム『SECRETS ON PARADE』の素晴らしさは本当に救いとなるものだった。当時自分は「日本盤のボーナストラックまで含めて1曲も捨て曲なし!」と評したのであった。さすがにそれが(客観的に見れば)言いすぎであったとしても楽曲のクオリティの高さは間違いのないものだったし、そこにはハッキリとDIZZY MIZZ LIZZY時代からの進化を見せつけたTimの姿があったのだ。ところが、中古盤市場にはかなり早い段階から同作が出回っていたことを記憶している。残念ながら、わが国のDIZZY MIZZ LIZZYファンはTimの新しい門出を肯定しなかったのであった。すべてのファンがそうだとは言わないが、少なくとも肯定した人間は少数派であったのであろう。はたしてTimのソロ来日公演は実現することはなかった。
時は流れ2年後ソロとしての第2弾アルバム『HONEYBURST』がリリースされる。これが1stと同じく本国より遅れてのリリースだったかどうかは憶えていないのだが、日本盤CDがCCCD仕様だったことはハッキリ憶えている。今でもオレは焼いたCD-Rで聴いている。話が逸れたが、この作品はTimの到達したひとつの頂点を成す作品であった。上記の『SECRETS ON PARADE』ほどは中古盤市場でお目にかかることはない印象だが、それはそもそも出荷枚数自体が少ないのかもしれない。そうして、やはり、この力作をもってもTimのソロ来日公演は実現しなかったのである。このタイミングに至ってはもはや我々日本のTimファンには絶望感に似た感情が漂っていたことも事実であった。当時、いくつか日本のファンサイトが存在していて、そのそれぞれで「Timの来日公演を実現させよう」というディスカッションや企画が行われたものだった。その後、mixiでTimのコミュニティが立ち上がったときも同様であった。
2008年、5年ぶりとなる久々の3rdアルバム『SUPERIOR』がリリースされる。ここにきて東芝EMIからの日本盤リリースも途絶えてしまった。来日が実現しないどころかアルバムを入手するのも苦労するような時代になってしまったのである。オレはmixiのコミュニティの薦めに従いデンマークのオンラインショップで購入した。作品の内容は素晴らしかったが、さすがに一発大逆転の来日実現はないのかと改めて絶望させられてしまった。
そんななか2010年にひとつの転機を迎えた。DIZZY MIZZ LIZZYが期間限定の再結成を発表しツアーに出ることになったのであった。当初は数回のライヴだけという予定だったらしいこの再結成ツアーは要望に応じて大きな話となり、この日本へも公演のために来ることになった。実に14年ぶりの来日公演だった。しかし、オレはこの報を聞いて少し複雑な感情を覚えたことを告白しておく。「ソロではアルバムを(しかも傑作を)3枚も出して一度も来日できなかったのに、バンドの再結成だとこんなに簡単に来日が実現するのか」と。すぐに脳裏をよぎったのは冒頭に書いた「『SECRETS ON PARADE』をすぐに手放したDIZZY MIZZ LIZZYファン」の存在だった。結局、これがわが国のマーケットなのか。だが、しかし、もちろんオレもDIZZY MIZZ LIZZYファンのひとりだ。再結成ライヴ自体は楽しみたいとも思った。そして、実際にこの年の5月に行われた来日公演は素晴らしいものになった。この公演の素晴らしさを受け、政則様の要請もあり、9月になんと2度目の来日公演が決定してしまった。アンコール来日公演ともいうべきこの来日はまさに異例の出来事であった。個人的にはまたしても複雑な気持ちに駆られながらも、9月の公演にも足を運んだのであった。そして、その夜に起こった出来事がとても重要だったように今になっても思う。本編終了後、Timがアコギ一本抱えて出てきて「ちょっとだけ自分のソロキャリアの曲を披露してもいいかな」と口を開いたのである。オレはその瞬間に狂喜したのだが、他にも歓声を上げるファンがいて、そのこともとても嬉しかった。たった2曲だけのパフォーマンスであったが、(アコギ弾き語りとはいえ)9年越しの夢が実現し、オレは涙した。
そのときはライヴ終了後にファンミーティングもあり、オレと同様に、あるいはオレ以上に熱心なファンの方々が直接Timに気持ちを伝えたのだと思う。すなわち「日本でソロ公演を実現させてほしい」旨を。「それを待ち続けている」旨を。もちろん、政則様からも要請があっただろう。
大成功に終わったDIZZY MIZZ LIZZYの再結成ツアー終了からあまりインターヴァルを空けることなくTimは動き出した。Timは前を向いているという証拠であろう。TimにとってもオレにとってもDIZZY MIZZ LIZZYはあくまでも過去なのだから。2011年末には3年ぶりとなる4thアルバム『TIM CHRISTENSEN & THE DAMN CRYSTALS』がリリースされた。初のバンド名義での発表となった本作に対して、残念ながらオレ自身は大きな満足を得ることができなかったのだが、バンドとして活動しているとのことでライヴの充実度には期待がもてたし、ますますライヴが見たくなった。そして、このころ「来年Timのソロ来日が実現するらしい」という噂がネット上で出回り始めた。おそらく噂の出所はTim本人とコンタクトを取っている(あるいは、取ったことのある)日本のファンだと思う。オレとしてはアルバムの出来などどうでもよくなってしまい、その噂が事実であることを願うばかりであった。
明けて2012年春、遂に待っていた知らせがオレの耳に届いた。2012年10月来日決定。オレは1年に何回かパソコンの画面の前で(ひとりで)叫ぶことがあるのだが、このときもまさにそれであった。歓喜の叫びである。比較的小規模なツアーであり、政則様からも「売り切れ必至」と脅されたのでCITTAのサイトでぬかりなくチケット予約。そして、無事にチケットを確保したのであった。


いや、初日のライヴレポート書くつもりで書き始めたんだけど、前置きの部分がこんなに長くなっちゃった。。。
ライヴレポートは別エントリにするわ。


TIM CHRISTENSEN & THE DAMN CRYSTALS @ CLUB CITTA川崎
TIM CHRISTENSEN & THE DAMN CRYSTALS @ SHIBUYA BOXX