祭典の日(奇跡のライヴ)

元々は2日間限定での公開だったらしい。2日間ってすげーな。メガレアだな。で、それが1週間延長になったと聞いて観てきた。しっかし、プロモーションが足りてないんじゃないかな。オレはたまたまPOWER ROCK TODAY聴いてて知ったんだけど。聴いてなかったら完全スルーするとこだった。Jimmy Page御大もプロモーション来日したらしいのに。


2007年12月のあのコンサートが遂に映像作品化。もう5年も経つのかあ。ここに出てくる4人組は3人の老人 + ひとりだけ少し若い男 っていうふうに見えなきゃいけないんだけどね。でも、実際にはそう見えないっつーか。Jason BonhamとJohn Paul Jonesが同年代ぐらいに見える気も。映像の美しさは言うまでもない。素晴らしい映像だ。たまに差し込まれる8ミリっぽい映像は要らない気もするが。セットリストはサプライズなしと考えていいんだろうね。キャリア全体を俯瞰する内容。


1曲目は「Good Times Bad Times」だった。真っ先に感じるのはJonesyの現役感。全然衰えてない。この人が締めるとこ締めてる。3曲目か4曲目かぐらいに「In My Time Of Dying」を演ったんだけど、ここから演奏がグっと良くなった。4人全員が素晴らしくなった。個人的には今まで一度も好きになれた試しがない曲なんだけど、これがひとつのハイライトだったんだろうなとは思う。ここから先はもう奇跡の連続だと思ったもんな。「Trampled Under Foot」ってあんなにカッコイイ曲だったのか。自分は『PHYSICAL GRAFFITI』を旧式のクソみたいな音質のCDでしか聴いてないから、その素晴らしさを未だにわかってないんだけど。「Trampled Under Foot」くそカッコ良かった。個人的ハイライトその1だわ。
サポートミュージシャを一切入れない姿勢も潔いね。その結果、「Stairway To Heaven」では音の薄さを感じずにはおれなかった。そういう結果がわかってるオレからしたら「薄くなるぐらいなら演らなくてもいいんじゃないか」とも思っちゃうけど、あの場に居合わせた人々からすれば演らないなんてあり得ないよな。ってか、暴動が起きるかも。
でも、「Kashmir」では音の薄さなんて感じなかったんだよ。やっぱし、Jonesy大活躍やね。あとは「No Quarter」が個人的ハイライトその2であり、また最高のハイライトでもあったな。あまりに美しく、あまりに素晴らしい演奏であった。
そしてそして、個人的ハイライトその3はやはり「Dazed And Confused」だろうか。Robert Plantはこの曲を「演らないわけがない曲」と紹介していた。Jasonのパワフルなドラムの貢献度も素晴らしいものがあった。アンコールにも2回応え、トータルで2時間の映像作品となっている。


この素晴らしい一夜があり、後日談へと続く。どこまで真実かわからないけど、大方の見方としてはソロキャリアを優先させたがったRobert Plantと残りの3人で意見が分かれワールドツアーは実現しなかった、ということになっている。これはあくまでもオレの推測でしかないけど、「こんなにも素晴らしい演奏ができたのだから世界中のファンに同じ感動を届けるべきだ」というのがPage御大の考え方で、「こんなにも素晴らしい演奏ができたのだから、この一夜を特別なものにするべきだ(守るべきだ)」というのがRobert Plantの考え方なのだとしたら、オレはそのどちらも間違いではないと思う。オレの好きなQUEENというバンドに置き換えて考えると、前者がBrian Mayの考え方になるんだけどね。
まあ、こんなにも素晴らしい一夜が歴史に刻まれ、それが映像として残るのだから、それだけでも御の字でしょう。


P.S. Robert PlantはMC中、これがAhmet Ertegunのトリビュートである点を強調していた。ということも記しておく。