ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD 1987

存在すら知らなかったなあ、このフェス。テレビか新聞で見て知ったんだけど。そんなに大体的にプロモーションしてる印象もないし、事実、公開2日目の六本木TOHOシネマズはそんなに人が入ってなかった。まあ、そのぶん、悠々観られて良かったけどね。


基本的にはドキュメンタリーだと言っていいだろうね。ライヴシーンは演奏をフルに見せる構成ではなくダイジェスト形式だからね。でも、どのバンドも演奏が素晴らしかったからフルで見せてほしかったけどね。純粋に音楽ファンのオレとしてはそっちのほうが好み。たとえば、ワイト島の映画がそんな構成だったように。あと、ナレーションのカンジもモダンではなく、どことなく古いカンジで、このドキュメンタリー自体も80年代に作られたのだと言われたら信じてしまいそうなほどだった。


しっかし、まあ、当日は開演前から土砂降りに見舞われたそうで、なんとも厳しい話だなと。途中からじゃないんだもんね。結局、救護所や救急車の世話になった人の数は500人超だったとか。このフェスからちょうど10年後の97年に始まったFUJI ROCKも初回は台風直撃で悲惨だったんだよね。FUJIのほうは2日目が中止になって、こっちのBEATCHILDは中止にせず最後までやり切ったわけだけど、何よりもまずはオーディエンスを讃えないとね。本当に屋根なしの雨ざらしで耐え抜いたのはオーディエンスなのだから。そして、もちろん、スタッフも極限状態で闘い切ったのだろうなあ。凄い。


自分はほとんどのバンドに馴染みがなかったので新鮮な気持ちで観られたな。RED WARRIORSなんて初めて観たなあ。ダイアモンドユカイが本当にロックミュージシャンだったことを知る、の巻。でも、SHAKEのほうがもっとカッコ良かったけど。ダイアモンドユカイ以上に芸能人化してしまった大友康平HOUND DOGもえらくカッコ良かったなあ。『ff』以外が良かった。尾崎も凄かった。とんでもなく凄かった。最も雨がヒドイ時間に登場したのは白井貴子。本来の力を出せるはずじゃない状況のなかでの熱演に感動。一番衝撃を受けたのはロック勢ではなく岡村ちゃん。Princeを引き合いに出すだけでは到底説明のつかないテンション。なんじゃありゃ。最高。BOOWYだけはなぜかステージ裏での映像が一切なく、いきなりステージ映像から。それって不自然だね。映像の使用に制限があるのかな。そのぶん、ステージ映像の時間は他アーティストよりも長めだった気がした。そして、最後は佐野元春。貫禄ってカンジ。


あと、俳優の六平さんが一瞬映るんだよ。まさかなと思ったけど、後で調べたら本人らしい。当時は裏方として参加してたそうな。