METALLICA @ SUMMER SONIC 2013 MARINE STAGE

QVCマリンフィールドへ向かう道中の運河脇のあたりでMARINE STAGEからの大音量がハッキリ聞こえてきてしまった。そうか、ロックスターぶりは発揮せず定刻どおりに登場したのか。そうさ、METALLICAはキッズとともにあるバンド*1なのさ。聞こえてきたそのメタルサウンドは「Master Of Puppets」だった。序盤に飛び出す「Master Of Puppets」。うん、まあ、想定内かな。間奏のギターを大観衆が口でなぞっている。あの距離で客観的に聴くと、まさしく世界一ダサい音楽だな。でも、その世界一ダサい音楽が堂々のトリを張ってるんだぜ。素晴らしいことじゃないか。この日はオレはLブロックのチケットだったから、入り口が超遠く感じたな。やっとのことで中に入ると、アリーナはかなりの客入りぶり。前方ブロックまで進んで陣取った。ちょうど「The Day That Never Comes」を演奏してる最中だった。リリースから5年が経過した『DEATH MAGNETIC』だけど、今でもファンからの支持は決して低くないだろうね。だから、盛り上がってたと思う。


で、その次に問題の選曲が。「Carpe Diem Baby」という誰得の選曲。サビのところで「Carpe Diem Baby」っていう歌詞が出てきたからわかったようなものの、歌詞に出てこないパターンだったら絶対憶えてなかったね、この曲。問題の選曲が続いて、お次は「I Disappear」。これは本当に何の曲かわからなかった。聴き憶えもなかった。帰ってきてからセットリストを見て気づくパターン。実際、誰が喜ぶんだろう、この選曲。
という時間を経てこそなのかもしれないが、Jamesがオーディエンスに問いかける。「お前らヘヴィなのが聴きたいのか?」と。ってことは、何らかの自覚はあるんでしょうね、自分たちのセットリストに対して。で、そのヘヴィなのが聴きたいというニーズに対する答えが「Sad But True」。確かにヘヴィ。ブラックアルバムに提示されているヘヴィネスを象徴する一曲だよね、これは。そして、それに続くはRobertのベースソロ。バスケのタンクトップというおなじみのいでたちに身を包んだ毎度毎度の凄い演奏。思えば、Robertが加入してから10年が経ったんだなあ。すっかりMETALLICAのベーシストとして定着だね。まあ、個人的にはJasonの存在がなかったことにされるのは心外なんだけど。「(Anesthesia)Pulling Teeth」や「Orion」や「To Live Is To Die」をプレイすれば、セットリストでCliffに対するトリビュートを表現したことになる。じゃあ、同じようにセットリストでJasonに対する敬意を表するとしたら、どんな曲をプレイすればいいんだろうね。で、そのベースソロに続くは待ってましたの「Welcome Home (Sanitarium)」。ある時期はこの曲がMETALLICAのすべての楽曲のなかで一番好きだったなあ。で、そこに続いたのが「Orion」で。7年前の『MASTER OF PUPPETS』完全再現があったからメガレアというほどの希少度ではないのかもしれないけど、やっぱり嬉しい選曲。必然的にRobertの演奏ぶりに焦点が当たるし、他のメンバーもしかり。凄いな、Robertは。その後はおなじみの楽曲が続いたね。「Blackened」はどうだろう。さっきのJasonに対するトリビュートになるとしたら何?の解になり得るだろうか。どうだろうね。ただ、やっぱり最高にカッコ良かったな。『...AND JUSTICE FOR ALL』を最高と評する人の数はそれほど多くない*2けれど、そういう人にとっては究極の一枚なんだよね。そして、お次はKirkのギターソロ。ある時期の自分にとってはKirkは一番好きなギタリストだったんだと思う。バラード部門からは「Nothing Else Matters」が選ばれた。夕暮れのMARINE STAGEにはマッチしてたけど、でも、それを演るなら「Unforgiven」だよなあ。そして、本編ラストは「Enter Sandman」。うん、固いね。


続いてアンコール。飛び出したのは「Creeping Death」だった。固い、固いよ。そして、やはり個人的にはJasonのがんばりを思い出す。この曲に含まれるMETALLICAが絶対に失っちゃいけないものをJasonはそのガッツで守り抜いてきたんだ。そして、「Battery」。あのイントロ抜きで演っちゃダメだろ、この曲は。一応、ここで終了の予定だったみたいで去っていこうとするメンバーたち。Robertだけが残って客を煽る煽る。そしたら、Jamesもノってきてもう1曲演ることに。まあ、予定調和かもしらんけど。んで、ホントのオーラスは「Seek & Destroy」だった。まあ、オレが選べるんだったら
選ばない曲だけど、まあ、しょうがない。終演後はメンバー各自がメッセージを言って終了。Larsの言った「We will be back very soon」の一言は何を表すのか。アルバムがもうすぐ完成してワールドツアーで日本にもすぐ来てくれるという意味なのか。どうだろね。


後日談。最初こそ見逃したとはいえ、バンドのパフォーマンス自体は良かったし音響も悪くなかったんで大満足で会場を後にしたわけだが。帰宅後、Facebookにいち早くアップされてたセットリストを見て驚愕。「Holier Than Thou」演ってるじゃん。。。 一番聴きたかった曲を演ってくれて、しかも、それを見逃すって何なの? でも、CHEAP TRICKのライヴを途中で切り上げるってオレにはあり得ないことだったし、どうしたって無理だったんだよな。改めてクリマンへの恨みつらみとフェスへの疑問が湧いてきたわ。もう一生聴けるチャンスないかもね「Holier Than Thou」は。あーあ。そんなわけで、最高のライヴだったけど残念なカンジだった2013年夏でした。

  1. Hit The Lights
  2. Master Of Puppets
  3. Holier Than Thou
  4. The Four Horsemen ~ Guitar Solo
  5. The Day That Never Comes
  6. Carpe Diem Baby
  7. I Disappear
  8. Sad But True ~ Bass Solo
  9. Welcome Home (Sanitarium)
  10. Orion
  11. One
  12. For Whom The Bell Tolls
  13. Blackened ~ Guitar Solo
  14. Nothing Else Matters
  15. Enter Sandman

encore

  1. Creeping Death
  2. Battery
  3. Seek & Destroy

*1:『LOAD』『RELOAD』のころなら、そんな形容が似合わなかったのかもしれない

*2:ブラックアルバムに比べると