Back to the Beginning

いや、もうさ、ストリーム開始の数時間前に公開されたあの集合写真を見た時点でもう涙が止まんなかったよ。中央の玉座に満面の笑みで鎮座するOzzy。その隣にSteven Tylerの姿。そんなん泣くって。オレみたいな音楽遍歴の人だったら。


OzzyにしてもSABBATHにしてもフルショウではないよ、っていう事前アナウンスがあったので、Freddie Mercury追悼コンサートみたいな、ああいう進行を想像すればいいのかなって思ってた。
にしても豪華メンツ。特に演奏が良かったのはANTHRAXLAMB OF GODALICE IN CHAINSあたりかなあ。持ちネタ自体の「SABBATH度」みたいなのを考えると、やっぱりALICE IN CHAINSが突出して高いよね。もしSOUNDGARDENも出場してたらSOUNDGARDENはさらにその上をいくけど。何らかの理由で出演キャンセルになったみたい。


個人的にはGUNSのパフォーマンスはかなり酷かったと思う。Slashは良かったけどね。PUBLIC ENEMYのTeeシャツ着てきた点も含めサイコーだったけどね。
結果論だけど、あんなパフォーマンスだったら、あんな格上扱いにしないでほしかったなあ。そりゃネームバリュー考えたら、どう考えても妥当な配置だけどさ。でも、もっと早めの出番でサクっと出演しちゃって、むしろ、Duff McKaganをオールスターバンドの一員に据えてほしかったかな。
オールスターバンド、前半パートでのベーシスト枠はEllefson中佐からFrank Belloへとタスキをつないだけど、後半パートではRudy Sarzoが一人で出ずっぱりだったね。もちろん、Rudy SarzoはOzzy本人とのつながりだけでなくRandyとのつながりもある(ベースのピックガードのとこ水玉模様だったね!)ので超重要な人選だし、演奏も実に素晴らしかった。だけど、ギタリストとドラマーがあんな豪華に入れ替わり立ち替わるのに、ベーシストはずっと固定ってさすがに無理があるかなと。その点、Duffなら華もあるし、Andrew WattたちとOzzyの(目下のところ)最後のスタジオレコーディングに携わった人脈の一部でもあるのでスーパー適任だよね。


そのオールスターバンドに関しての個人的ハイライトは、前半だとやっぱり(各所で絶賛されてるらしい)「Changes」だなあ。オレはヴォーカルの彼のことは全然知らないのだけど、確かに素晴らしいパフォーマンスだったもんなあ。加えてNunoのギターもサイコーだった。
そして、後半に関してはもちろんSteven Tylerの出演パート。Ron Woodまで連れてきちゃうAndrew Wattの有能ぶりも凄いけど、Stevenのパフォーマンスには滅茶苦茶感動した。ツアー引退っていう既成事実があるわけだから、どこまで歌えるのか心配しながら見守る姿勢だったけど、結果は「めっちゃ歌えてるやん」ってなった。声帯損傷の話どこにいったのよ、っていうレベル。「Train Kept A-Rollin」~「Walk This Way」~「Whole Lotta Love」っていう流れも完璧。SABBATHの音楽性を祝福するのみならず、あの時代のハードロックをも祝福する場として機能させてくれたんだなあ。AUDIOSLAVEの音楽性を考えたら、すごく腑に落ちる展開だったなあ。


一方で、Billy CorganとSammy Hagarはまったくハマってなかったなあと感じる。ちょっと腑に落ちない人選。
あと、VTR出演だったJack BlackがSCHOOL OF ROCKよろしくティーンエイジャーのミュージシャンを従えてパフォーマンスした「Mr. Crowley」な。YOYOKAにもTom Morelloから直々にオファーきたんだろうなあと想像して嬉しくなるけども、水玉模様のフライングV弾き倒してたあの少年はそのTom Morelloのご子息なんだってね*1。素晴らしい演奏だったな。


METALLICAのパフォーマンスが終わって、いよいよ主役の登場。ステージ下から玉座ごとせり上がってきたOzzy。もう、その瞬間から最後の「Crazy Train」が終わるまではずっと泣きながら画面を見守ったわ。思ったよりは声も出てたと思う。名曲をしっかり堪能できたし、感動が押し寄せたよ。感動的な「Mama, I'm Coming Home」の他はすべて『BLIZZARD OF OZZ』の収録曲だったわけだから、やっぱり、この場はRandy Rhodesにトリビュートを捧げる場でもあったわけだ。
ちなみに、最後のOZZY OSBOURNE BANDの構成員はZakkとMike InezとAdam Wakeman*2とTommy Clufetos。ドラムは、せっかく現場にMike Bordinいたんだったら個人的にはMike Bordinのほうがよかったけど、まあ、いいか。重要なのは、最後にOzzyの相棒ギタリストを務めるのはZakkをおいて他にはいないということ。


Ozzy Osbourneとしてのソロパフォーマンスを観てさんざん涙を流した後だったから、その後のSABBATHは割と冷静に観ることができちゃったのよね。Ozzyは引き続き玉座に座ってるから、真っ正面からのカットだとちょうどBill Wardが隠れちゃってたね。演奏曲目は大方の予想どおりというところだったのかな。でも、「N.I.B.」は嬉しかったよ。大好きな曲だし、例の「人々が勝手にNativity In Blackの頭文字だと考察してくれたけど、ホントはBillのあごひげの先がペン先(nib)みたいだったから」っていうエピソードも込みで大好き。メンバー達もそのエピソードを思い出しながらセットリスト決めたのかなとか思ったら(勝手に)グッときちゃう。
Back to the Beginningというお題目との兼ね合いでいえば「Black Sabbath」をフルで演奏してほしかった気持ちもあるけど、ロックコンサートとしては「Paranoid」で締めるのは至極当然なことなのでね。うん、そこは納得してる。


改めて、この偉大なイベントにキュレーターとして音楽監督として携わったTom Morelloに最大級の賛辞を。ホントはSharonと仕事するのすごく葛藤があったんじゃないかと想像する。グッと堪えて最後まで務め上げてくれたのかもしれない。とにかく感謝の念しかないよ。マジでありがとうございました。


そういえば、配信のクオリティは申し分なしだったね。画質も音質もとても良かった。ちゃんとメインのオーディオにつないで視聴したよ。重くなっちゃう時間帯もなくはなかったけど、まあ、許容範囲でしょう。






本来、2017年にラストコンサートはやっているわけでね。今回は「ちゃんと終わらせる」「ちゃんと祝福する」という意味合いの素晴らしい機会だった。こうして、コンサート活動は幕を閉じた。でも、BLACK SABBATHっていう看板は続いていくわけでね。さて、今後の展開やいかに、というところだけども。
まずはEARTHの発掘音源が出るそうで。SABBATHのオフィシャルアカウントから3曲が先行配信されてたからメンバー公認なんだろうね?
「Warning」と「Wicked World」聴いたら、原型というよりほぼ完成品だったよね。「Black Sabbath」というキッカケこそなかったものの、すでにヘヴィロックと呼べちゃいそうな音楽を奏でていたんだなあ。


あとはやっぱり映画作品にも期待しちゃうな。『BECOMING LED ZEPPELIN』という作品が生まれるのであれば『BECOMING BLACK SABBATH』という作品があってもいいよな。NEW YARDBIRDSがLED ZEPPELINになったように、上述のEARTHがBLACK SABBATHになったのだから。

*1:ベースの少年はScott Ianのご子息だとか

*2:JAZZ SABBATHって名前はよく聞くんだけど、Adamが始めたプロジェクトなんだとか