<Albums>
1.DEFTONES『PRIVATE MUSIC』
オレぐらいの年齢(アラフィフ)の人は『AROUD THE FUR』より好きとか『WHITE PONY』より好きとか言い出すことはないと思うんだけど、それはあくまでも思い入れってヤツであって。どれが好きかではなく、どれが最高傑作かという話なのであれば、やっぱり今作を挙げるべきなんだろうなとは思う。ケチつけるところがないもんな、まったく。中だるみもしないし尻切れもしない。アルバム後半まで圧倒的なクオリティが続く。
皆が皆サウンドプロダクションのことを称賛してるけど、ホント素晴らしいよね。この盤に刻まれているのはヘヴィミュージックの鑑と言い切りたい音像。言うことなし。
もちろんライヴ観たいけれど、来日は厳しそうとか?*1うーーーん。
2.LITTLE SIMZ 『LOTUS』
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正直に言えば『GREY AREA』と『SOMETIMES I MIGHT BE INTROVERT』を超えるほど好きなわけではない。でも、『NO THANK YOU』よりは好きだし、何よりInflo抜きの布陣でこのクオリティの傑作を仕上げてきたんだから、やっぱり凄いこと。本人的には「産みの苦しみ」なんて言葉では言い表せないほどの苦闘を経てきたみたいだけど、リリック面含め、ちゃんと作品に昇華されてて感服。あと、「Young」や「Enough」みたいな曲のおかげで、リスナーにとっても息が詰まるばかりではない聴取体験になるのも嬉しいポイントよね。
FUJI ROCK行ってないからライヴは観られなかったな。「Young」のリリックにAmy出てくるから、今度ライヴ観に行くときはAmyのTeeシャツ着て行こーっと。
3.DIAZ BROTHERS 『THE WORLD IS YOURS』

まず、2ndアルバムが出たっていうことが嬉しい。それだけでも嬉しいことなのに、内容が素晴らしいからなおのこと嬉しい。もちろん、方向性はなんも変わっとらん。そのうえで、全曲が前作収録曲のちょうど2倍良くなってると感じる。
「哀愁」っていうのがH.D.Q.の音楽を表すキーワードのひとつであったのと同様に「positive」ってのもキーワードのひとつだったと思うんだけども(7SECONDSあたりが源流であるのならば当然の帰結として)。でも、Dickieを失って「哀愁」の意味合いも「positive」の意味合いも大きく変わったんだよな。DIAZ BROTHERSとしての1stアルバムのときほど直接的にDickieとの別れを歌っているわけではないとしても、「Dickie亡き後」の心情がそのままこのバンドの音楽性として昇華されているんだろうね。
4.GRAPEVINE 『あのみちから遠くはなれて』

前作に引き続き、勲氏プロデュース。セルフプロデュースと外部プロデューサー起用のちょうど中間ってカンジの体制がやっぱり奏功してるのかね。前作に輪をかけたようにクオリティ高し。
突き抜けたポップネスは前作のほうが上かもしれない。でも、それで正しい気もする。
さすがにリードトラック(アタマ2曲のことを言ってる)が強力すぎて、それを超えてくるアルバム曲はなかった気がするけれど、まあ、あんだけ強力な曲があるってだけでも凄いことなわけでね。
5.SUPERCHUNK 『SONGS IN THE KEY OF YIKES』

前作はコロナ禍の最中につくられたからライヴ感とは真逆の「スタジオワークの珠玉作」になって、結果、バックカタログのなかでは『HERE'S TO SHUTTING UP』が引き合いに出された格好になったのだけれど。で、コロナ禍明けの今作はライヴ感を取り戻して溌剌とした一枚になり、引き合いに出されているのは『MAJESTY SHREDDING』のようなんだよね。『MAJESTY SHREDDING』といえば私は大好きなアルバムなんだけど、どうだろう、宣伝文句としては弱くない? 私のような後追いの世代はともかく、古くからのファンがときめくような神通力はないタイトルな気がして。
全10曲のなかでつまんない曲はないと思うけど、ちょっと不思議なのは6曲目の「Cue」がやけにクローザーじみて聴こえること。そのあとにリードトラックだった「Everybody Dies」がきて「あ、また始まった」って感じる。自分はCDを買ったのだけれど、アナログだったら「Cue」がB面1曲目なのかな。ひっくり返して針落として1曲目がこれだったら「えっ、合ってる?」ってなりそう。
あ、なんか、ホメてるんだかケナしてるんだかわからない文章になっちゃった。いや、私は好きですよ!
6.JOSE JAMES 『1978: REVENGE OF THE DRAGON』

相変わらず仕事が速いよね、Joseは。絶好調やね*2。
まあ、やっぱり、めちゃくちゃ聴きやすいよね、今作。有名カヴァー曲も複数揃えてるし。人によっては軽すぎると感じるかも?
でも、「ポップとは偉大なことなり」という(アタシの)リスナー観を照らし合わせると、イイ作品だよなと。
前々作のメンバーが再登板している場面もあって、それもイイ感じ。Ebban Dorseyが参加した「I Thought It Was You」が一番好きかも。(残念ながらに日本公演には帯同せずだったね)
7.CRAIG DAVID 『COMMITMENT』

1stのリリース25周年を経て、本人としてはその1stアルバムのバイブスを掴んで制作することのできたアルバムという位置づけらしい*3。原点回帰というならば2016年作『INTUITION』こそ重要作だったんだと思うけどね。あのときは実際に自ら「Fill Me In」を再訪したのだから。
5曲増量のデラックス盤もリリースされて大ボリュームだった前作と比べるとコンパクトにまとまってて、だからこその一枚入魂作ってカンジ。惜しげもなく投下される美メロ。昔も今も彼は「リスナーを楽しませたい人」なんだよな、としみじみ。
どの曲もライヴを想定した仕上げ方になってるそうだからね、ホント来日公演お願いしますよ、という気持ち。
8.AGNOSTIC FRONT 『ECHOES IN ETERNITY』
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前にも書いたとおり前作はリリースされたことすら気づかず聴いていないんで、前作との比較はできないんだけど、でも、あのアートワークから察するに『CAUSE FOR ALARM』再び、っていうカンジの内容だったのかな。一方で、今作はやっぱりキャリア全体の包括的な内容に思える。だけど、プロデュースのみならずソングライティングにもMike Dijanが参加してるからか、バンドのカタログの平均値よりはややメタリック寄りの音像。なにより重要なのは楽曲のクオリティが総じて高いことで、さすがMike Dijanという印象。
Stigmaはこの12月に70代に突入したそうで、ハードコアパンクの世界に70代のじいさんがいること、最高にイカす話だなとしみじみ。というわけで、改めて祈・来日。
これは完全に余談。2005年の『ANOTHER VOICE』から前作まで20年近くNUCLEAR BLASTのリリースだったわけだけど、今作のREIGNING PHOENIX MUSICなるレーベルも元NUCLEAR BLASTの人が興したレーベルだとか?
9.BLACK COUNTRY, NEW ROAD 『FOREVER HOWLONG』

今回は女性メンバー3人が楽曲を持ち寄って構成したアルバムになったわけだけど。これ、何を前作と捉えるかで印象は異なるかもしれない。スタジオアルバムの2ndである『ANTS FROM UP THERE』を前作とするか。はたまた、未発表曲だけで固めた(実質3rdアルバムとも言えちゃう)ライヴ盤『LIVE AT BUSH HALL』とするのか。Issacのみがヴォーカルを取っていた2ndと比較すれば複数のヴォーカリスト/ソングライターが織り成す拡張の世界線ともいえるけど。一方で、彼らは3人組ではなく6人組だし、オールフィーメイルではなく男女混合だし。その意味で、今回の作品は「新たな側面を見せた」といえるけど「ひとつの側面に過ぎない」ともいえるかも。でも、それをネガティブに捉えることはなくて「このバンド、まだまだ全方位的に伸びしろあんじゃんか!」って捉えればいいもんね。そう思えることがまた素敵よな。
録音がとても良くて、素晴らしい音で聴けるんだけど、来日公演はこれに輪をかけたように素晴らしかった。3人のヴォーカリストとしての力量がレコーディング時よりも進化しているってことなんだろうな。
10.CHEAP TRICK 『ALL WASHED UP』

フェアウェルツアーとかいう「どう考えてもウソだろう」と感じさせてくれるタイトルの武道館公演からわずか1ヶ月ほどのタイミングでリリースされた今作。まったく枯れていない内容の充実作だからこそ余計にフェアウェルなんてどう考えてもウソだろうと改めて。
Robinのヴォーカリゼーションに称賛の声が集まっていて、そりゃ確かに素晴らしいんだけども、ここは敢えてRickとTomの演奏に注目。2人のインタビューがとてもいい内容で、これ読んでから本作を聴いたらギターとベースの味わい深さが増し増し。
そういった演奏面の強力なナンバーが前半に集中しすぎている気がして、個人的には後半はやや弱く感じるから、もしかしたら前作『IN ANOTHER WORLD』よりは下かもしれないけど、でも、やっぱ充実作。だもんで、次は本作と前作からそれぞれ(少なくとも)3曲以上演奏する内容のライヴを演りにきておくれ!
次点:小袋成彬
2025年はどっちかというと来日するバンドのカタログを聴くことに時間を費やした一年だった気もする。一方、来年は新譜を聴く機会が多い一年になりそうな気がする。すでに確定しているところでもMEGADETH、PAUL DRAPER、GEZAN、ミスチルと色々あるしね。あっ、あとAoooもか。予測でいえばDISCHARMING MANの新作も出そうだし、ARLO PARKSの新作も出そうだし。そして、Maxwellの新作は出るのだろうか。どうすんだよ、とうとう10年経つぞ。そして、Dの遺作。そんな前かがみになって待つのは違うか。いつか聴ければいいな、ぐらいの気持ちでいればいいのか。
*1:METALLICAと同じ年から途切れていることになる?12年間ぐらい?
*2:一方で、例の山火事では大変な思いをした模様
*3:本人のインタビュー → https://au.rollingstone.com/music/music-features/craig-david-interview-commitment-81247/