ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ~ア・トライブ・コールド・クエストの旅~

観てきた。ヒューマントラストシネマ渋谷にはすっげー久しぶりに行った気がする。覚悟してはいたけど、想像どおりの、あるいは想像以上のヘヴィな内容 a.k.a. ショッキングな内容だったわ。でも、ラストには希望があったと思う。この作品で描かれている時期の果てに我々が目撃したサマソニでのパフォーマンスがあったのだから。


この作品を観てわかることは・・・

  • Q-TIPの創造性の高さ、そして、ストイックさ。
  • Phifeが体験してきた苦悩、そして、彼の作品に対する貢献度。
  • Jarobiの人となり。そして、彼とPhifeとの暖かな友情。その友情に涙っ。

この作品を観てもあまりわからないことは・・・

  • Aliの人となり。普段から寡黙な人なのでしょうね。



しかし、作品のタイトルはなぜ『LOW END THEORY』でも『MIDNIGHT MARAUDERS』でもなく『BEATS, RHYMES AND LIFE』なんだろう。このアルバムのことは作品のなかでほとんど時間を割かれてないんだよ?1stから3rdまでほど掘り下げられてないどころか、あまり触れられてないという印象。Dillaが健在でインタビューを取ることができたなら、もっと時間を割かれてたかもしれないね。


全編を通してPhifeが感じてきたフラストレーションと苦悩を描くこの作品。そういうことは2ndのころに既に始まっていたそうだが、Dillaが加わってプロデュースチームが3人になったときのPhifeの立場を思うと、それは決定的なものだったのではないか。まあ、あくまでオレの推測だけど。


というわけで、この映画の主役はQ-TIPではなくPhifeなのだろう。Phifeのことをよりよく知る素晴らしい機会になった。とてもいい作品ですわ。