JETHRO TULL @ 渋谷公会堂

久しぶりの渋谷公会堂。約4年ぶりだな。あいかわらず古めかしいね。しっかし大盛況だったな。「チケット譲ってください」の紙切れ持って立ってる人もいた。オレはA席のチケットを買ったので2階席の一番後ろ。でも、こないだの国際フォーラムと違って割とこじんまりだから一番後ろでもそんなにヒドくはない。んで、当然のことながら客層の平均年齢が高いねえ。今までオレが観てきたなかで一番高いでしょ。例えばTHE WHOなんかJETHRO TULLよりもっと芸歴長いけど、あれはフェスだったから若い客もたくさん来てるわけで全体としての平均年齢はたいして高くなかったと思うもんね。
19時過ぎ、ほぼ定刻どおりでライヴスタート。当然ながらスタンディングはなし。座ったままでの鑑賞。初めて見るIan Andersonは、、、うーん、コミカルなオジサンだ。オレが高校生のころ憧れた、ブチ切れた魔法使いのような狂気のフラミンゴってカンジじゃなく。完全お腹出てるし。でも、演奏は良かったよ。事前アナウンスどおり初日はベストヒット的セットリスト。オレはちゃんと聴いてるのはMINSTEL IN THE GALLERYまでだから、それ以降の楽曲はほとんどわかんないだろうなあと予想してたが予想的中で知らない曲だらけだった。ハイライトはBouree 〜 Cheap Day Return 〜 Mother Gooseだなあ、やっぱ。ホント素晴らしかった。セットリストはベストヒットっちゅーよりは37年の歴史を無理にでもギュー詰めしようとするカンジ。TULLの作品だけでなくIanのソロやMartin Barreのソロの曲も演っていた。Martin Barreのソロの曲はいかにもギタリストのソロアルバムってカンジのハードなギターインストだった。でも、いいね、この人のギター。とても好きなトーンだった。あと、ドラムのDoane Perry。名前しか知らなかったので初めて見たけど、かなり大男に映った。かなりパワフルな演奏だったね。ライヴの進め方としてはかなりこまめにMCを取ってたね。節々にIan Andersonの英国オヤジギャグが満載よ。昔憧れた、あの気難しそうなローブ姿の男っていうイメージとはかなりかけ離れてて戸惑うけどさあ。でも、歳取ると人間つまんない冗談を連発するようになるものだし、それが人間味ってものじゃないかな。CREST OF A KNAVEを演るとき例のグラミーのネタを喋ってたけど、あれは微笑ましかったよ。ちなみにオレはCREST OF A KNAVE持ってないので知らない曲だったんだけど、かなりハードで良かったよ。今度手に入れてみよう。アンコール前のラストはAqualung。当然一番有名な曲なわけで一番盛り上がったね。アンコールではIan Andersonのあの片足上げ奏法のシルエットがプリントされた巨大風船が登場。それを御大自らが頭の上にのっけて歩き回るパフォーマンス。大道芸人かい、アンタは!ってカンジで。んで、その巨大風船を客席に投げ込む。うーん、ちょっと邪魔かな、それ。見え辛くなっちゃうじゃんかー。ラストは風船が飛び跳ねるなか、そのまま終了。会場は総立ちでスタンディングオーベーション。約2時間のショウですた。まあ、知らない曲ばっかだったので、そういう意味じゃ消化不良だなあ、と思った。AQUALUNG完全再現公演も観たいなあと思いつつ会場を後にした。


んで、次の日、18時。きっちりと定時退社する自分の姿があった。自然と渋谷へ。当日券あるかなあ。ないかなあ。とか思いつつ公園通りの坂を上っていく。開演10分ぐらい前に着いたのだが、前日の激混みぶりと比べると人が少ないかなあってカンジ。当日券販売窓口を見つけ当日券ありますかと尋ねる。あっさりありますとの答え。ありゃりゃ、そうなんかい。前日はソールドアウトだったのにね。8000円を支払い当日券ゲット。席に着いてみると、一番後ろだった前日と比べたら前のほうなわけで。っていうか、角度的に見やすい気がしたし。んで、前日と同じくほぼ定刻どおりライヴスタート。1曲目は当然AQUALUNGAqualungだと思ってたら、、、ありゃ、違うの? え、じゃあー、後でAQUALUNG完全再現パートを設けるの? オレの頭のなかでいくつものクエスチョンマークが巡る。んで、2曲目、流れてきたイントロは、、、Cross-eyed Mary!!!え、このタイミングで演るの? え、じゃあ、AQUALUNG完全再現ではないの? どうやらそういうことらしい。あくまでもAQUALUNG収録曲は全部演ります、という意味のようだ。とはいえ、Cross-eyed Mary。大好きな曲がこのタイミングできたので、ちょい興奮よ。が。うーん、前日もちょっと感じたことだけど、こういうハードな楽曲のときはIan Andersonの声がちょっと違うかな。レコードで聴いたのと。演奏自体は悪くなかったと思うんだけどね。んで、その後、割と早いタイミングできたよ、Thick As A Brick!前日は演らなかったんだよね。これは完全再現じゃなくてもちろん短縮ヴァージョンだけど。でも、AQUALUNG全曲演奏なうえにThick As A Brickも演奏って、これ完全に2日目の勝ちじゃねえかよ、ってこの時点で確信したね。Thick As A Brickはホント素晴らしかった。「ああ、ホント今日来といて良かったあ」って心の底から思った。ステージの進め方は相変わらず。縦横無尽に動き回る(踊り回る?)Ian御大。小ネタも随所に入れてくるし。前日とまったく同じネタもあったりして微笑ましい。この日もMartin Barreのソロのコーナーがあったんだけど、前日とは曲目が違ってた。この日演った曲は素晴らしかった。ワイヤブラシ(かな?)で演奏するDoane Perryとベーシストを交えてのトリオ演奏だったんだけど大変ムードのある曲ですごく良かった。AQUALUNGの曲で他に良かったのは、まずHymn 43。御大のMCに導かれて始まった同曲。曲のタイトルがコールされた瞬間に自分のなかではキターってカンジだったんだけど、演奏が始まってみるとなんかアレンジが思いっきり違うの。ちょっとガックシ感があったなあ。そんなオレの気持ちを察してか*1セカンドコーラスからは聴き慣れたロックアレンジに戻って演奏されたの。超嬉しかったー。間違いなく自分的ハイライト。そして続いて演奏されたMy God。これは超名演だった。あまりにも素晴らしかった。アンコールについては前日と一緒。御大による巨大風船大道芸ね。そして会場総立ちのスタンディングオーベーション。2日間とも来たって人が多かったのだろうし、その人達による盛大な拍手は「素晴らしい!昨日よりずっと良かったよ!」っていう意味だったんだろう。もちろんオレも同じだ。だって、あらゆる面で前日より上だった*2もん。ホントに2日目も観にきて良かった。ナイス、オレのinstinct!
外に出ると雨が降っていた。折り畳みを出して広げようとしていたら、横に忌野清志郎がいた*3。好きなのかなあ。清志郎JETHRO TULL。うーん、結びつかん。

*1:察するわけがない

*2:唯一、片足上げの時間だけは前日のほうが長かったかもしらん。

*3:清志郎はオレの近所に住んでると思う。だって5回ぐらい見たことあるもん。