もう4月だってのに堂々と3月の話を書く。相変わらずだな、オレ。
数えてみたら自分はSTONESの音源を7枚しか持ってなかった。そういう自分はSTONESファンではないと思ってるし、8年前の来日公演も堂々スルーした記憶がある*1。でも、やっぱり、観ておきたいなと思って今回は観ることに。どうせなら2回観たいなと思ったけど、1口しか当たらなかったので大人しく最終日だけ参加してきた。
席は残念ながら全然いい席ではなかったね。1階席の一番後ろのほうってカンジ。ただ、角度的には正面に近いカンジだったので悪くなかったけどね。一応開演時間は18時半なんだけど、そんな時間に始まるはずもなく。19時きっかりに始まるための18時半設定なのかな。で、実際、19時に始まったのだ。
暗転したステージにGlimmer Twinsが登場。ビシっと決めたMickにスカジャン*2姿のKeith。感動。大方の予想どおり1曲目は「Jumpin' Jack Flash」。どうなんだろね。もったいない気がしてならないんだけどね、やっぱり。(演る側も観る側も)最初の最初からエンジン全開ってことにはならないので、あんな大名曲はエンジン全開になってから演ってくれたほうがいいと思っちゃうなあ。とはいえ、Keithのアップピッキングをこの目で拝んだ。良かった良かった。
2曲目にいきなりオレの知らない曲がきた。アルバム7枚しか持ってなくてファンではないオレでも、セットリスト全体を通して3曲ぐらいしか知らない曲ないのに、それがいきなりきた。でも、この曲すごいカッコ良かった。エンジンはもうかかってる!その状態で「It's Only Rock 'n' Roll (But I Like It)」が。それはもう最高でしょ。んで、さらに超名曲「Tumbling Dice」。150テイクもかけて作り上げられたというスタジオレコーディングのヴァージョンが完璧すぎて、この曲は本人たちでも再現不可能なんだろうな、きっと。言葉じゃ説明できないマジックがこの曲にはあって、それはやっぱりパフォーマンスには現われてなかった。続いて登場したのは「Ruby Tuesday」なんだけど歓声が凄かったな。客層の平均年齢を物語る?続いて対照的に最新曲「Doom And Gloom」を演奏。少なくとも、「Ruby Tuesday」よりはセットに溶け込んでるよな。
オレは知るのが遅すぎて参加できなかったけど、今回はTwitter上でリクエスト企画があったんだよな。まあ、オレだったら「Live With Me」に投票してたところだけど、実際に選ばれたのは「Respectable」。んで、Mickが特別ゲストに登場してもらうと言う。そして、呼び込まれたのがなんと布袋寅泰。場内の歓声凄かったなあ。でも、ファン層かぶる?かぶらなくね?オレは好きじゃないから全然嬉しくなかったけど。London進出を果たした彼のパフォーマンスがSTONESサイドの目に留まり、今回お呼びがかかったというのが真相らしいね。しっかし、STONESと共演するというのはどんな気分なんだろう。Keithと並んで演奏するなんて。それこそ天にも昇る気持ちなんだろうね。セットは続いて「Honky Tonk Women」へ。もちろん、シングルヴァージョンのね。
そして、遂にこのときがきた。今度こそスペシャルゲストの登場だ。Mick Taylorその人だ。もちろん、場内には歓声が。でも、どうやら知らない人もいたようで、たとえばオレの後ろの席にいた人なんて「えっ、Mick Taylor?!」ってマジなトーンで驚いてた。かつて最年少でバンドに参加したMick Taylorだけど、40年の時が流れてみると、最年少の面影はどこにもないのな。恰幅のいいオヤジになったTaylorがSTONESの一員として演奏をしている。間違いなく今宵のハイライトだよな。Keithが歌ってパフォーマンスをした2曲も素晴らしかった。だけど、真骨頂はやっぱりMickがステージに戻ってきて演奏した「Midnight Rambler」だろう。両Mickが対峙し、ギターとブルースハープで対話。そこから、あのリフへ。その瞬間に「ああ、この曲に敵う曲はないんだな」ってわかった。確信した。他に好きな曲が何曲あろうと関係ない。この「Midnight Rambler」の演奏にこそSTONESのすべてが詰まってる。すなわち、ロックのすべてが詰まってるかもしれない。終盤のジャムも最高だったな。KeithがいてTaylorがいてRonnieがいる。
その極上のときが終わったら、Taylorはハケてっちゃった。3曲のみだからこそのスペシャルゲストなのか。実際のところ、どうなんだろう。3曲が限界なのかな?? もし、そうじゃないのであれば3曲と言わずもっと長い間観ていたかったけどね。
さて、ハイライトが終われば終盤。ここからは怒涛の展開。まずは「Miss You」。Darryl Jonesを大フィーチャーだな。(ヘルプとはいえ)この人ももう20年以上になるよな。それってBrianやTaylorよりもはるかに長い在籍期間だもんな。次の「Paint It, Black」はやっぱり「Ruby Tuesday」と同様の歓声をもって受け入れられた。ある年齢以上の人にとっては特別な曲なんだろうね。
そして、お次は名曲「Gimme Shelter」。もちろん、Lisa Fischerを大フィーチャー。『バックコーラスの歌姫たち』を観て特別感慨深いものがあったんで、オレもこの曲をすごく楽しみにしてたわ。まあ、その結果、ハードルを上げすぎちゃったかなっていうカンジもあるけど。続いて「Start Me Up」が炸裂。これこそライヴ向きの一撃。これが1曲目のほうがいいよなあ。
そして、「Sympathy For The Devil」へ。ってことは、もう本当に終盤戦なんだな。意外とあっさり終わっちゃったのよな「Sympathy For The Devil」。もっと引っ張ってもいいと思うんだけど。で、間髪入れず「Brown Sugar」へ。最高中の最高だったわ。これで本編は終了。
アンコールの1曲目は劇的だったね。暗いステージの左右からコーラスが。それはあの「You Can't Always Get What You Want」のイントロのコーラス。照明がついて、それが日本側で用意されたと思しき日本人コーラスの面々だったと判明。グっときたなあ、この演出。これを生で再現してくれるなんて。個人的には「Midnight Rambler」に次ぐハイライトだったわ。うるっときたし。
そして、最後はもちろん「(I Can't Get No) Satisfaction」で大団円。Mick Taylorもしれーっと戻ってきてアコギ弾いてたな。メンバー全員を紹介した後バンドはステージ中央に並んだ。もちろん、Taylorを交えてね。
さて、初めて観たSTONESのコンサート。まあ、やっぱり、「Midnight Rambler」以上のことは起きないんだなあって思っちゃったかな。そして、もっと小さい会場で観られたら幸せだなあとも。やっぱり、アリーナロックではないと思うのですよ、STONESって。Beacon Theatreで演った『SHINE A LIGHT』がすごくいいなあって思ってるから、あれぐらい贅沢な環境で観てみたいけどねえ。あとは、Keithの「Happy」聴けなかったのが痛かったなあ。絶対演ってくれる曲だと思い込んじゃってただけにね。演奏した日もあるらしいね。羨ましい。
- Jumpin' Jack Flash
- You Got Me Rocking
- It's Only Rock 'n' Roll (But I Like It)
- Tumbling Dice
- Ruby Tuesday
- Doom And Gloom
- Respectable
- Honky Tonk Women
- Slipping Away
- Before They Make Me Run
- Midnight Rambler
- Miss You
- Paint It, Black
- Gimme Shelter
- Start Me Up
- Sympathy For The Devil
- Brown Sugar
encore
- You Can't Always Get What You Want
- (I Can't Get No) Satisfaction
*1:ちょうど前回の来日ツアー中にSPIRAL CHORDのライヴがあって、MCで現動さんが「STONESは?観に行かなくていいの?」と言ったのを何故だかハッキリ憶えてる。
*2:サンローランのものらしい。